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あがり症のカラクリ

人前でのあがり症の方の場合、緊張して、声が震えたり、手が震えることで、その体験から慣れとは反対に、力みや自信喪失につながる人が多いです。
「しっかりとやろう!」という気持ちはちゃんと持っているのに、なぜかうまくできないという歯がゆい思いをされている方も多いでしょう。
ですが、緊張で思うようにいかないものの、本来はうまく振舞える能力は充分持ち合わせている方は多いです。しかし、皮肉な事に、その能力を出しきれていないのは、
「うまくやろうとする強い意識」にあります。
うまく話そうとする思い、失敗しないようにという気持ちは人間にはもちろん必要で、なんら悪い事ではありませんが、
人間にはこの気持ちが強く働きすぎると、空回りしてしまい余計に力んでしまう部分があるのです。
緊張があまり起こらない時は、
「うまくやらないといけない」「……しないといけない!」という強い観念はあまり生じないと思います。つまり、使わなくてもよい無駄な意識を使っていないからこそ自然に振舞えるともいえます。
……人間の身体のなかで本人の意思でコントロールできるのはわずか数パーセント程度で残りの90数パーセントは意思とは別の
なにかによって動かされているといわれています。このなにかの正体が潜在意識です。ということは人間の行動には潜在意識の部分で動いていることがとても多いという事です。わたしたちは知らず知らずの内に潜在意識を使っているのです。
例えば・・・平均台の上を下に落ちないように歩けと言われれば、ほとんどの大人は下に落ちずに難なく歩く事ができると思いますが、その平均台が100メートルの高さにあったとして、その上を歩けと言われると、ほとんどの人が下に落ちてしまうと思います。なぜでしょうか?
ここで、それぞれの場合の人間の意識を考えてみると、前者の方では、落ちても死なないという事がわかっているため、失敗しないようにという意識もあまりなく、ただ単純に歩く事しか考えていません。
どちらかというとあまり一生懸命に考えずに、よけいな対策も練らずにただ単純に歩いているだけです。良く言うと失敗を恐れてはいません。
後者のほうは逆に、下に落ちたら死んでしまうという恐怖心もあり、絶対に落ちないように
一生懸命に考え、落ちないための対策を必死になって考えてしまうでしょう。
ですが、一生懸命に考え(失敗したら終わりだ、うまく歩かなければ!ミスは絶対にできない!)、前者の意識よりも頑張っているにも関わらず、下に落ちてしまう事が多くなります。
本当は平均台の上くらい難なく歩ける能力があるにも関わらず、余計な意識が邪魔をして本来の力を発揮できないようにしているのです。こういう部分が、人間にはあります。
これを人前での緊張に当てはめてみると同じような事がいえます。
ほんとうは人前でうまく話せる能力があるにも関わらず、余分な意識が邪魔をしてしまい、皮肉にも失敗を犯しやすい状況を作ってしまうことが多いかと思います。
この時の余分な意識というのが、完璧さをあまりにも求めている部分からでる
「失敗してはいけない!、馬鹿にされないように、そうなったらお終いだ!」という部分なのです。
このような部分が、皮肉にも緊張を作り出し、自己の思いとは逆の結果を招いてしまう最大の原因なのです。

ですから、人間は完全な完璧ではいられないということ、完璧でない部分があるのが人間であるという事を、しっかりと認識していく事、うまくできない部分が少しくらいあってもいいんだという気持ちを持つようにしていくことがとても大切なのです。
ここでのトレーニングはそういった部分を改善していくものです。
自分を許す気持ち、余裕の気持ちをを育てていかなければ、先に話した平均台と同じような結果になることが多いためです。

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